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訳語関係の読み物はおまえなんか、訳してやる!で更新しています。

2005-11-08

「造語院」コンテンツの著作権

訳語苑 - 貳號の日記 - 「良い造語しませんか?」と「造語院」の今後のあり方と「訳語苑」との関わり方について思うこと

まず話を整理するために著作権について法律的な「筋」はどこにあるのか考えてみます。はてなダイアリーガイドの著作権のことを書いた時に著作権のひろばなどで私が知った範囲での見解なのですが。

まず「良い造語しませんか?」の著作隣接権は「2ちゃんねる」が保有していますよね(ITmediaモバイル:2ちゃんの「良スレ」が電子書籍化されヒットするまで (2/3)という記事を参考にしています)。書き込んだ人は著作権のうち「著作者人格権」というけっこう重要な権利を(日本の法律では放棄できないので)持っていますが、それ以外の諸権利は2ちゃんねるが持っていて、出版利益の配分などができるようになっている。

「訴えたければ裁判に出なければいけない」という実際問題を置いたとしても、書き込みした人が「自分の書き込みは著作権があるので出版するな」と言えば二次利用させないことは可能かもしれないけれど、普通の短い書き込みに著作権で保護されるような文化的価値が認められることはあまりなさそう。コテハンでずっと活躍していたとか、かなりまとまったお話を発表したといった人などでないと、2ちゃんねるの出版物に対して差し止めや利益の配分を求めるのは難しそうです。

さらに今回の「訳語」は、「創作性がある」と認められるのが難しいジャンルです。新聞社が見出しの著作権を主張して裁判で認められなかったのがありますが、事実を端的にわかりやすく説明したぐらいでは「創作性がある」と認められないわけです。同じ語を訳そうとしても誰も思いつかないような表現が「創作性がある」のであり、訳語に関してそれは認められにくいでしょう。短すぎることもあります。単語レベルで著作権を認めてしまったらその言葉を使いにくくてしょうがないです。まず絶対に無理でしょう。

だから「良い造語しませんか?」スレッドは、2ちゃんねる管理サイドがかなり自由に著作隣接権を行使できるはずのものだと思います。法的には「造語院」さん相手でも、匿名のスレ住人が自分の著作権を主張してコンテンツの削除を求めるのは難しいように思います。それができるのは2ちゃんねる管理サイド、つまり貳號さんが著作権者として意識すべきなのは著作者である書き込んだ人よりも、2ちゃんねる管理サイドになってきます。

2ちゃんねるの「良い造語しませんか?」スレッドから訳語(創作性が認められない)を抜き出して、二次利用する場合ですが、単語レベルに分解して当グループのキーワードに登録するよりも、もしかすると「造語院」さんのほうが危ういのではないかと思います。「そのスレ自体のまとめである」と自認されている造語院さんは「良い造語しませんか?」スレッドの二次創作物と見なすことができるかもしれません(著作権者が訴えない限り著作権侵害にはなりませんし黙認期間が長いので大丈夫だと思いますが)。ちなみに「造語院」さんも訳語をコレクションして「編集」しているので「編集著作物」にあたります。とりまとめかたに関しては、貳號さんの著作権が認められます。

さて、当グループのキーワードに登録した場合(単語レベルに分解できる今回の事情ならではですが)、以上の理由からそれらに関して2ちゃんねるが著作権を主張するのは難しいと思います。

というわけで、はてなが当グループのキーワードを万一なにかに二次利用する場合、承諾が必要になる可能性がある対象はこのグループのメンバーだけになると思います。二次利用に関する懸念はグループメンバーの承諾が得られればまず問題ないはずです。


しかし「良い造語しませんか?」と「造語院」の今後のあり方と「訳語苑」との関わり方について思うことで問題になっているのは、訳語を書き込んだ人達への、心情的・道義的な配慮ですね。

これに関しては、すべてのキーワードで訳語の出典を示し「引用」であることを明示しておくと良いと思います。引用の要件を満たしていれば法的にも道義的にも問題が無いことは比較的よく知られていますし、引用元が無記名であるのは引用者の責任ではありません。結論としてはこれになります。

訳語キーワードに初出の分かっている既出訳を載せる時は出典(URL)を明示する、というやり方でまず万全ではないかと考えています。つらつら書いていたらすごく長文になっちゃってすみません。あとすごい遅反応。

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